憧れ

あの日越えた
卒業という線の向こうを
今 静かに振り返っています

幼さに泣き 壁に戸惑う私に
行くべき道を示し
微笑んで見守ってくれた人
あなたはいつも正しく
その眼は暖かく優しかった
私にはあなたが必要だった
恋によく似た気持ちで
あなたを追いかけていた

今あなたの目の前で 物知り顔をして
一人前のふりで話す私は
まだあなたの背中を追いかけている
あの 恋によく似た気持ちは
今も私の中にあります

恋ならばもう
痛みでしかないはずなのに
変わらずに暖かく輝いている
幼い私に分からなかったもの
やっと分かった
この気持ちはきっと 憧れ

あの日越えた
卒業という線のこちら側だから
伝えられる 伝えたいこと
私はあなたに
本当に憧れたのです




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