Autumn Leaves

右腿の裏がすぅすぅと
秋の風を奏でている
そこに手を当ててみても
服の布地以外の感触はない
暖かいと感じていたのは
さっきまで暫く乗っていた
電車の座席を覆う布
思った以上に長い道のりで
さほど悪くない席だったから

電車を降りて間もない私の手は
右腿の裏を静かに離れ
行き場無く彷徨っている
探しているのはきっと単に
手遊びの道具に過ぎない
でもこの手を空けておくには
他愛ない位でいいから
時間と道具が必要で
家を通り過ぎ公園へ向かう

かさかさ かさかさ
戯れ 慰め
崩れるまで踊れ落ち葉
忘れるまで歌え落ち葉
足元で立てる音を
飽きるまで聴いている

快い疲れが漸く私を包み
眠さが全てを支配したら
右腿の裏は何も感じなくなる
彷徨う手は布団の端を掴み
何もかも忘れた振りで眠れる
朝までは もうほんの数時間
私まだどうやら
私を守ることに慣れてない

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