雨の日に −2−



今 傘を鳴らすこの雨は
きっとほんの少し前まで
あなたの空を曇らせていた雨雲が
運んだ雨のような気がするのです

傘に落ちる雨音を聴くのは
あなたの心を覗いてしまう様で
いつも足を速めてしまうのだけれど
今日は深呼吸して立ち止まる
耳を澄ましていいですか
勘違いや知ったかぶりはしたくないから
ただ静かに聴いています

雨雲に負けない大きな傘などないし
私には 雨に濡れたその肩を
駆け寄って抱き寄せることも出来ません
私はいつもの私でしかなくて
不確定な明日をぼんやり考えながら
笑っている事位しかできないけれど
私を少しでも近く感じてくれるなら
この雨から響くあなたの心を
少しだけ分けてください
どうか一人で泣かないでください
どうか私を側にいさせてください

この雨が上がったら次の季節
蕾が目を開いて晴れた空に微笑む季節
その空を笑顔で見上げるまで
マケナイデ 冷えた手を握って
雨の中つぶやいてみました

                   


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